金英男(キムヨンナム)が28年ぶりに、実の母と姉に会った。
会ってから終始笑顔。
これはあり得ないこと。
そこで、英男の気持ちを推測した。
私は、何も言えないんだ。
本当のことを言うと、今すぐにでもこの再開のプログラムは中止され、
私は強制労働に追われてしまう。
だから、涙を見せるわけにはいかない。
泣くと、それは北朝鮮にとって大変な打撃になるからだ。
今回のプログラムは、日本に向けての演出。
横田めぐみはすでに死んでいないということを、強調するために仕組まれたもの。
なぜかって?
めぐみは、すでに国家機密の重要な仕事をしているから、
彼女のことは死んだということにしなければまずいんだ。
私は、めぐみのことについて、ほとんど知らされていない。
私の言っていることは、北朝鮮政府からのシナリオどおりに話していること。
そのことをわかってほしい。
だから、そのことをわかってもらうため、二つのメッセージを言う。
一つはテープレコーダーの件。
これで、私の話はうそだとわかるでしょう。
また、めぐみが3歳のとき交通事故にあった話。
こんなことは、両親だったら嘘だとわかるでしょ。
みんな嘘なんですよ。
でも、私にはそういう表現しかできないんですよ。
早く助けに来てください。