昔、私が中学生の頃、”橋のない川”という映画があった。
まさに、部落民を扱った映画。
当時は、私の住んでいた町の周辺にも部落民はあったようだ。
しかし、そんなことを知らない我々は、あらためて部落問題を突きつけられてびっくり。
私がその問題を親に聞くと、指を口に当てて、
「シーッ」、と言う。
より詳しく聞くと、やれ、気がふれた子が多いとか、畸形が多い部落とか、そんな話ばかり。
結婚するときには部落民かどうかは必ず調べるとか。
私が、部落民はどうして部落民になったのかと、歴史的背景など、説明できる人は一人もいなかった。
だから、私は調べた。
歴史的に言うと、徳川時代の差別階級の最下層。
士農工商のうち、武士が一番偉く、次が農民。
当時の大半が農民。農民をベースに作った社会。
しかし、その農民も生活は貧しい。
厳しい年貢取立てに娘や子供を売らなければ食べていけない時代。
百姓一揆がいつ起こっても仕方がない有様。
そんな時、自分達の下に、人非人、エタといっ人間扱いされていない人種がいることで、自分達はまだましだと、思わせたのである。
その人非人は、関が原の戦いで徳川に反旗を翻した連中、あるいは、百姓一揆を起こした家族、など。
徳川時代が終わり150年が経過しても、一度押された烙印はなかなか消えない。
今日の新聞で、全国の被差別部落地名総鑑をおさめた、フロッピーが発見されたということが報道された。
大阪市内の信用調査会社に保管されていたという。
結婚の身元調査などに使われた可能性が高いという。
この情報が、インターネットで流れてしまったら、それこそ多くの人の不幸がまたまた、始まってしまう。
インターネットの時代、新たな危機が始まりつつある。
こころして、情報管理はしなければならない。
単に、営利に走ってもらいたくはない。